給与計算の基本的な考え方を日本クレアス税理士法人が解説します

給与計算をするときに、基本となるものはおおきく2つあります。
それは支払う(支給する)金額と、控除する金額です。
月額で支給する場合は基本給・残業代、通勤手当や家族手当などをの各種手当です。
これらの金額から、社会保険料・雇用保険料・各種税金(所得税・住民税)を計算して控除額を確定します。
そして、(支給する金額)-(控除する金額)=従業員に支払われる金額になります。
これらの計算は、ミスは許されないためチェックが必要です。
また年収の増加や結婚出産などに伴う扶養家族の増加によっても、計算が異なってくるため従業員の状況を常日頃から把握していかないといけません。
最近では給与計算システムも充実してきていて、リーズナブルな価格での導入も可能になってきています。

詳細な給与計算方法について

それでは次に詳細な計算方法について、見ていきましょう。
基本給の場合、基本給や手当自体は変動が無いため計算はそのまま行います。
一方で残業代や、欠勤などの場合は別で計算方法があり従業員がどれくらい働いたかの情報が必要です。
残業代については、(時間外労働の時間数)×(1時間当たりの賃金)×(割増率)で計算してきます。
1時間当たりの賃金は、(月給)÷(1か月あたりの平均所定労働時間)から算出可能です。
ちなみに1か月あたりの平均所定労働時間には、年間のカレンダーが必要でその会社の営業日がどれくらいあるかを事前に決めておく必要が出てきます。
年間365日のうち、休日が何日あるかを決めて指しい引いた日数に12か月を割ると平均所定労働時間が出せるのです。

残業時間の計算

それでは、残業時間の話に戻りましょう。
残業時間の計算には、主に時間外残業・深夜残業休日労働があります。
時間外残業は働く日の定時以降や、働き始めの前の時間に業務を行う場合に発生する者で割増率は25%以上です。
深夜残業は22時以降から翌朝5時以降に勤務する者で、こちらも25%以上と決められています。
もし時間外残業と深夜残業を両方行った場合は、深夜残業は25%+25%=50%です。
これは長時間労働が心身に負担がかかることから極力減らすことを目的として、割増率を引き上げているものです。
休日労働も同様で、休息すべき日に勤務するため割増率は35%となります。
もしこれに深夜残業が加わると60%になるため極力就業時間の範囲で業務が負われるようにすることが肝要です。

1時間当たりの賃金=基本給というわけではない

ここで、1時間当たりの賃金について見ていきましょう。
実は1時間当たりの賃金=基本給というわけではないです。
例えば職務手当を支給している場合は、基本給に加えて残業をする際の時間給に含める必要があります。
含めなくてよいものは、法律で決まっていて

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時支払われた賃金
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

以上の内容です。
これを除いた支給額全てを算定基礎に入れる必要があることを、注意しておきましょう。

保険料や税金の計算

次に保険料や税金の計算です。
例えば雇用保険料は、(賃金)×(3/1000)で計算されます(2019年4月1日~2021年3月31日)。
この険料率や税率は定期的に見直しが行われているため、定期的に監督官庁のHPなどを確認して見直す必要。
加えて賃金についても、残業代の計算とは違い基本給のほか残業手当や家族手当住宅手当なども含まれるという違いがあります。
つまり計算ごとに含める額が微妙に異なるためその点も確認が必要でしょう。
これらの各種保険は会社と従業員で折半する者が多く、先ほどの保険料から割引いた額が従業員に支給するための控除額として計算されるのです。
一方で従業員のための保険ではなく、会社のための保険については会社側で全額持つ必要があります。
具体的には労災保険と呼ばれるものです。
労災保険は従業員が就業中に業務内容によって、怪我などの疾病を被った際に支払われるもの。
これは企業が従業員に指示した結果発生したものなので、従業員に支払う義務は無く企業側が保険料をしはらう必要があるといった考えにも基づくものです。
ちなみに労災保険料は、(全従業員の年度内の賃金総額)×(労災保険率)から算出されます。
賃金総額は基本給・賞与・通勤手当・定期券や回数券・残業手当をはじめとした各種手当等、事前に決められていますので給与計算担当者は明細をしっかりと保存しておきましょう。
特に事業者向けの計算は、確定申告などにも必要になるため重要な算定です。

まとめ

このように給与計算は、従業員へ支払う賃金だけではなく各種税金などの計算とも密接にかかわっている重要な作業であると言えます。
正しく行うことが当たり前である一方で保険や税金ごとに含める計算が様々なため、ミスを誘発しやすい環境にあり担当者だけの計算だとどうしても限界があります。
数人の従業員であればなんとかなりますが、数十人になる際はシステムの導入を真剣に考えたほうが良いでしょう。

 

参考リンク
日本クレアス税理士法人 評判